明治時代に名字を適当に付けた家は本当に多いの?

家系図 ルーツ

第102

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1.家系図ニュース~古文書が無くなっていく…~
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

ある「200年たどるコース」の案件で、郷土史を見ると当該村の江戸後期の宗門人別帳が存在すると書かれていました。もし、それを見られれば調査をしていく上で非常に有益ですから郷土史に記載された所蔵者名から当たりをつけて末裔と思われる方々にコンタクトしていきました。

それらの方々が非常に親切に対応してくださり、その人別帳の行方を一族で探してくださいました。その結果、分かったことは…数十年前の火災で人別帳を含む古文書が既に焼失してしまったという事実でした。調査の上では非常に残念でしたが、自家とは関係ない調査に多大なご協力をいただいた方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

このように、以前は確かに存在していた古文書も時代を経るごとに焼失、散逸してしまうという実状があるのは事実です。

また、お寺の記録(過去帳など)も、寺が無住になったり廃寺になったりすると、いつの間にか「どこにいってしまったか分からない」と、なる事が多々あります。最近も某案件で実際にありました。

そんな事情もあり、当事務所では『ご先祖探しスーパーデータベース』構築の活動を始めたという経緯もあるのですが、それでも古文書が失われていくのを完全に食い止める事が出来ないのは歯がゆいですね。私たちの貴重なご先祖様の記録なのですから…

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2.明治時代に名字を適当に付けた家は本当に多いの?
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よく、江戸時代中の庶民(武士以外の農民、商人)は名字(苗字)を持っていなかったと勘違いされる事が多く、当メルマガでも何度も「持っていなかったのではなく、公に名乗れなかっただけである」という事を書いてきました。

但し、実際に明治時代になり名字(苗字)を強制的に名乗らされるようになった時に先祖伝来の名字が分からず、適当に付けたという事もあったのは事実のようです。しかし、その割合は極めて少なく例外的であったと考えられます。

最近も山陰地方の「200年たどるコース」でお寺の過去帳を拝見させていただきました。その地方の郷土史などを読むと、その地域では明治時代になって地元の著名な戦国武将の名字を勝手に付けた~というような事が記載されていました。

郷土史に書かれているくらいですから、その地域では明治時代になり名字を名乗れるようになった際に、そのように本来とは異なる名字を適当に付けたのだろうと思っていたのですが、お寺の過去帳を見ると、そうではない事が分かりました。

過去帳などの私文書では、江戸時代のものであっても時として庶民の名字が記載されているものがあります。今回見た過去帳もそうでした(宗門人別帳のような公文書では絶対に記載されませんが)。それにより、郷土史で「適当に付けた」と書かれているその名字も、村の家々が実は江戸時代中から既に持っていたものであることが分かりました。

これまで見てきた案件でも、明治時代のその村の戸籍と江戸期の宗門人別帳を突き合わせてみると、同じ名字の家々は江戸時代中に分家している同族である事が確認できるケースも多く、決して明治時代になって適当に付けたようには思われません。

一見、適当に付けたり、地主から名字(苗字)を貰ったかのように見えても、江戸期の史料で確認すれば「貰った」のではなく元は同族であり江戸時代中に分家している事が確認できるケースも多々あるのです。

どうしてもイメージで「適当に付けた」「貰った」と思われがちですが、現在みなさんが名乗られている名字は先祖伝来の由緒あるものであるケースの方が多いといえそうです。