400年以上たどるには戦国時代の人の動きを把握する必要あり

家系図 ルーツ

第11

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1.家系図ニュース~ご住職に感謝
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

『200年コース』の案件で、依頼人様の昔の(江戸時代~明治時代)菩提寺と思われるお寺のご住職宛に年末に問合せの手紙を出していたのですが、新年早々、事務所に返信が届いていました。 こちらの問合せについて非常に丁寧に回答をいただきました。
 
そのうえ、ご依頼人様のご先祖が住んでいたであろう地域のお年寄りの方々にも何か知っていることがないかを尋ねてくれたそうです。まあ、さすがに現在では明治時代に生きていた方はほとんどいないですから、そちらでは成果がありませんでしたが、それでもそこまでやっていただいてご住職には感謝しかありません。

だいぶ経験を重ねたせいか、最近は手紙を出すと結構、お寺さんにご協力いただけるケースも増えてきました。本当に有り難いことです。


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当事務所では「人権」については充分な配慮をして家系調査を行なっています。人権侵害に当たるような調査、他人の身元調査は受け兼ねますのでご了承ください。


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2.400年以上たどるには戦国時代の人の動きを把握する必要あり
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今、『400年たどるコース』の案件を2件並行して行なっています。

そのうちの1件は既に1600年代のご先祖様のお名前まで明確になっています。某城下町で裕福な御用職人であったようです。苗字も許されていました。400年たどるコースですから、それでも充分なのですが、しかし、せっかくここまで来たのですから、その先の出自も少しくらい知りたいものです(私が)。

‥で、何とかそこから先のこともたどろうとしているのですが、それはつまり江戸時代の範囲を超えて戦国時代に調査が及ぶことになります。実は江戸時代前半までは過去帳や宗門人別帳、分限帳といった古文書類でたどれることも多くあります(但し、どの家でもという訳ではありません。あくまで世間で思われているよりも、たどれてしまうことがあるという意味です)。
 
それというのも、江戸時代は基本的には身分も居住地もあまり変動がありません。ですから、たどれる可能性が(家によっては)結構あります。
しかし、戦国時代(戦国時代の定義は難しいですが、ここでは江戸時代の直前までを指します)となると、身分も居住地もかなり流動的です。実は江戸時代でも町人(商人、職人)は想像以上に居場所を変えていたものです。ですから戦国時代の町人などは、もっともっと自由に動いています。

そして、今手がけている400年たどるコースの案件に話が戻るのですが、江戸時代は某城下町で裕福な町人としてずっと暮らしていたことは既に分かったのですが、それ以前は別の場所から来たという言い伝えが家に残されています。

では、どこから移動してきたのか?
こういう時に役立つのが郷土史です。郷土史というと、何百ページもの分厚い本で、しかも何冊かにわたるケースも多くあります。通常はそれを読み込めと言われたら尻込みをしてしまいます。

しかし、私の場合は毎日のように様々な地域の郷土史を読んでいますので、だいたいどの辺りを読めばいいのかの勘は働きます。今回は現在のその市の郷土史ではなく、合併前の市のときに作られた郷土史の方にそのヒントがありました。
その城下町の中でも、依頼人様のご先祖が居住されていた○○町は、○○城下町の○○町から移転してきた町であるという記述があったのです。
 
実は、戦国時代に大名がそれまでの城を廃城して新たな城に移るときには、城下町ごと丸ごと移転するというケースがあるのです。家臣はもちろん、町人も一緒に大移動です。考えてみれば、商人や職人は武士がお客様でもある訳で、城が無くなってお客様(武士)がいなくなったら営業が成り立ちません。お客様と一緒に移動するのが必然といえます。

今回のケースでは、それが短期間に2度繰り返されていたことが郷土史から分かりました。
 
しかし、それが分かれば元の城下町で古文書等の史料を探せばよいのです。まあ、そう簡単に江戸時代以前の古文書が出てくるとは限りませんが、少なくても前にどの土地に住んでいたのかが分かれば史料の探しようもありますので可能性は出てきます。
今回はどうなるかまだ分かりませんが、宗門人別帳以外にも町内ごとに一軒づつ町人の屋号、名前、家族構成、出身地などを記された文書が残されている地域もあります。それにより、1500年代のその町の町人の動きまで分かることもあります。(例として、富山県城端町の『組中人々手前品々覚書帳』などが挙げられます)

400年以上たどろうとした場合には、戦国時代の人の動きをまず確認する必要があるということです。少々大変でも、郷土史は必要な時代の記載は1行も見逃してはいけません。実際、今回もその記述はほんの1~2行でした。どんなに眠くなっても、ボーっと読んではいけません(笑)。