本籍地に住んでいたとは限らない

家系図 ルーツ

第42

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1.家系図ニュース~明日から越後国(新潟県)で現地調査
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

明日から越後国(新潟県)で現地調査です。現地調査とは言っても、本当の現地を歩いて石碑等を見て回る調査は以前に終わらせていますので、今回は図書館での古文書閲覧が中心です。

実は以前にもその図書館で、その村に残る公開されている古文書の写しを閲覧しています。そこでも収穫があったのですが、それだけでは不完全でした。そこで、図書館の職員の方に帰りがけに、「他にこの村の古文書は一切所蔵されていないのでしょうか?公開されている古文書を見る限り、この村には○○家など他にも旧家と思われる家があるのですが、そういう家の物はないのでしょうか?」と、食い下がってみました。

すると、「実は○○家の古文書の写しもお預かりしています。しかし、閲覧の許可は取っていないんです」と、教えてくださり、さらに「そうした事情であれば市の方からお願いしてみます」と、交渉までしてくださいました。

そうして、今回無事に○○家の古文書を見にいけることになったという訳です。 何でも聞いてみることが大切です。聞くのは無料ですし(笑)。かなりの量があるとのことで、1泊2日で行ってまいります。何とか有益な情報が分かると良いのですが。

ちなみに、我が丸山家も越後国から始まっています。ご依頼の案件も何故か越後国に行きつくことが多いです。こういうのを「縁」と呼ぶのでしょうかね。


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当事務所では「人権」については充分な配慮をして家系調査を行なっています。人権侵害に当たるような調査、他人の身元調査は受け兼ねますのでご了承ください。


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2.本籍地に住んでいたとは限らない(戸籍は個人欄もよく見る)
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自家が江戸時代から明治時代にかけて、どのあたりに居住していたかが分かっているという方は多いと思いますが、稀に「どこにいたのか全く分からない」という家もあります。しかし、明治時代の戸籍まではほとんどの家で取れますから戸籍(正確には除籍簿)を取得してみます。そうすれば、明治時代の本籍地が判明します。

ところが、ちょっと気をつけたいのが必ずしも「本籍地=居住地」ではないという事です。現代でも引っ越す際に住民票の異動手続きだけ行って、本籍地を動かすのを忘れていて本籍地は実際には住んでいない所になっているというケースもたくさんあります。それと同じような事は明治時代にもあります。

特に明治初期に各地で不況が起こっており、その際に北海道に移住している家というのが多くあります。しかし、移住する際に転籍届を出さなかったという事が実際、多々あります。

まあ、現在に通じる戸籍制度は明治5年に出来ていますので、明治の頃はまだまだ戸籍に不慣れだったり重要性を認識していなかったという事情もあるかもしれません。明治3年までは江戸時代から続いていた『宗門人別帳』の制度が残っていた影響もあるかもしれません。

宗門人別帳は戸籍と異なり、各人が異動を届け出る訳ではなく村役人が調査をして書きあげていました。受動的だった訳です。それが急に能動的に届け出する戸籍制度に変わっても、すぐにはその慣習に馴染んでいかなかったのかもしれません。

いずれにしても、本籍地をそのままに他所へ移住してしまう事が多かったのです。ですから、本籍地に居住していたとは限らない。そこで重要なのが、戸籍内の各人の欄をよく見るということです。

北海道に移住していれば、家族の多くが「北海道で死亡」「札幌で出生」などという記載が頻出している筈です。それにより、だいたいどこに移住したかが分かります。

そのようなケースでは、その移住先と思われる市町村で墓・石碑を探すと明治時代の痕跡が見つかるかもしれません。

但し、戸籍以上に古いご先祖様(つまり、江戸時代のご先祖様)を見つけようと思えば、やはり本籍地での調査を行う必要があります。本籍地をそのままに他所に移住したという事は、裏返せば明治5年の壬申戸籍成立の頃はその本籍地にいたということであり、江戸時代はそこで暮らしていたと推測されますので。

ですから、江戸時代の頃の様子を知りたければその戸籍(除籍簿)の本籍地の地域で調査をする(古文書の閲覧等)。明治時代のお墓などを探したければ、戸籍(除籍簿)で読み取れる実際の居住地で調査をする…という使い分けをする必要があります。よく出来たもので、戸籍からは色々なことが読み取れます。