宗門人別帳はどこにある?

家系図 ルーツ

第64

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1.家系図ニュース~九州3日間調査の模様をツイッターで生中継
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

さて、前号でお知らせいたしました通り、話題の「ツイッター」を始めてみました。先々週、3日間にわたり九州で「200年たどるコース」の現地調査を行い、その模様を逐一、ツイッターで実況中継させていただきました。

もちろん、個人情報は伏せてではありますが、それでもご先祖様探しの緊迫感を感じていただけたようで多くの反響をいただきました。この案件は、九州の二つの地域にまたがる調査となりました。「200年たどるコース」は通常は現地調査2日間ですが、現地に入るまでに時間を要する遠隔地でしたので3日間となりました。

さて、二つの地域を仮にA村、B村としますとA村は戸籍で判明する最古の本籍地です。ですので、江戸時代末期から明治時代にかけてこの地域に住んでいた事は確実に分かっています。しかし、家にはその昔、B村に住んでいたという言い伝えがあります。江戸時代中のどの時期にB村からA村に越してきたのかは不明です。
そのような状況で両村にそれぞれ存在する二つのお寺とコンタクトを取り、それぞれのお寺に所蔵されている古い史料を閲覧させていただく約束を取り付けて現地入りした訳です。

その後の経過はツイッターでご報告の通りで、お寺でも面白い発見あり、そして現地で色々な方に聞き取り調査をさせていただき、最後は老人ホームに入所している方まで訪ねることになりました。

実は私は先週一週間お休みをいただき(行政書士事務所を開業して10年近くなりますが、これまでほとんど休暇らしきものを取ったことが無かったのでリフレッシュのためお休みをいただいた次第)、まだ調査員と会っておりませんので今週、詳細な報告を受ける予定になっています。

今後とも可能な限りツイッターで家系図作成の調査を生中継していきますので、お時間のある時に当事務所のツイッターをのぞいてみてください。
◆twitter『ご先祖探し実況生中継ツイッター』
⇒  https://twitter.com/marujimu


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2.宗門人別帳はどこにある?
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江戸時代のご先祖探しに欠かせない史料が「宗門人別帳」である事は、これまでも繰り返し書いてきました。江戸時代を通じて、基本的には全ての村で毎年のように作成されてきました。現在の「住民票」と「戸籍」を合わせたような行政文書です。

「では、その宗門人別帳はどこにあるのですか?」

…と、よく聞かれるのですが、それが一律ではないのが難しいところです。人別帳は一つの村を単位として作成されます。その村の全員がキリスト教徒ではない事を証明させるのが本来の目的であり、村人全員を家単位(家族単位ではありません。使用人であってもその家に居住していればその家の人間として記載されます)で名前を書き出し、各人の檀家寺を記します。

そして、その記載された寺が「この人は確かに当寺の檀家です」という事を認めるために印鑑を押していきます。基本的には、そのように村(町)単位ですから村の庄屋(名主)が作成することになります。という事はご想像のとおり、村で庄屋役だった家にそのまま所蔵されているというケースが実際によくあります。

図書館や文書館といった行政機関に寄贈・預託されているケースもあります。ですから、どこかの村(町)の宗門人別帳を探そうと思ったら、まずは行政機関とその地域の元庄屋だった家を探し尋ねてみるというのが基本になります。

なぜか「宗門人別帳はお寺で持っている」という誤解をされているケースが多いようですが、前述のように村単位で作成しているものですので違います。各寺の檀家というのは一つの村に固まっている訳ではありませんので。但し、例外的にお寺に自身の檀家だけを各村の宗門人別帳から抜き書きした「控え」を持っていることはあります。ですから、そのような観点でお寺に聞いてみるのも悪くはありません。

宗門人別帳に並んでご先祖探しの史料となりうる「検地帳」も事情は同様ですので行政機関か元庄屋宅にあるケースが多いです。しかし、今回冒頭の「家系図ニュース」に書いた九州の案件では、お寺に村の検地帳が保管されていました。

これは昔、庄屋宅だった家が引っ越しで村を出ていく際に菩提寺のご住職に預けたために、そのような状態になったという事でした。そのような「例外」も多々あるので一律には言えませんが、まあ、宗門人別帳や検地帳を探そうと思ったら行政機関か元庄屋宅と考えるのが基本といえます。但し、あまりそれに期待しすぎない方が良いともいえます。

自分が目指す地域(村、町)の宗門人別帳や検地帳が現存しているケースは50%以下というのが実情です。毎年のように作られた宗門人別帳といっても、江戸時代は火災に遭う確率が現在とは比べ物にならないくらい高いのです。また、震災や戦災もあります。ですので、昔は確実に残っていたものでも現存している確率は少なくなるのです。

それでも、いちばん基本的になる史料ですので、家系図作成、ご先祖探しをされる方はとりあえず宗門人別帳を探してみましょう。