墓石の拓本と過去帳を照合して先祖名を発見

家系図 ルーツ

第65

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1.家系図ニュース~吹雪の中で「200年たどるコース」の調査完了
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

今年は4月になっても結構寒い日が多いですし、天候も不安定ですね。今週、調査員が東北で現地調査をしてきたのですが、横なぐりの雪に見舞われたそうです。

そんな中でも調査の方は順調に進み、寛文年間の検地帳の中に記載されている多くの村人の中のどの人がご依頼人のご先祖様か判明したようです。ただ、この寛文年間の検地帳を含む古文書は郷土史で活字化されたものしか入手できておらず、本当は現物を見たく、それを探すのも今回の目的でした。

といいますのも現物があると当時のその家の実印(江戸時代も各家で実印があり
様々な文書に押印しています。もっとも実際は庄屋が村人の分を預かり全て押印代行したりしていますが)の陰影まで判明します。

江戸時代中の自家の実印が分かるということだけでも味わい深いものがありますが、陰影が分かれば他の文書と照合することが出来、苗字がなくても自家のご先祖様を見分ける武器にもなります。

しかし、村の方々に本当に親切にご協力をいただきましたが残念ながら原本の行方が不明になっています(古文書の行方不明は意外と多いものです)。


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2.墓石の拓本と過去帳を照合して先祖名を発見しました
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先月の当メルマガで、ある「400たどるコース」において現地の本家にご協力をいただき墓石の拓本を取らせていただけるようになった~という話を書きました。

拓本を取れば、肉眼では文字が読めなくなっている江戸時代の古い墓石であってもそこに刻まれた戒名や没年月日を浮かび上がらせて判読できるようになります。そして、戒名と没年月日を知ることが出来れば、菩提寺で過去帳と照合をしていただく事によって、その墓に眠るご先祖様の俗名まで知ることが出来るという訳です。

その時のメルマガに、

古い墓石の拓本から得られる情報+菩提寺の過去帳の記録=ご先祖様の俗名発見

…というような公式を書きました。そして先日、拓本を取りにいってきました。結果を申しますと、世の中なかなか甘くなくて想像以上に墓石の摩耗が激しく拓本を取ることが不可能な部分が多々ありました。

墓石の表面が摩耗して肉眼では刻まれた文字が見えなくても、たいていは拓本で浮かび上がらせる事が出来るのですが「摩耗」というレベルではありませんでした。墓石の表面がざっくりと「欠け落ちている」という方が正しい表現な状態です。表面には本来であれば戒名が刻まれています。

しかし、墓石の側面は「摩耗」と呼べる程度でした。肉眼では文字があるようには見えませんでしたが、触ってみると凹凸があるような感じがします。念のため側面の拓本を取りました。そうしましたところ、やはり文字が浮かび上がってきました。

両側に、それぞれ江戸時代の年月日が記されていました。つまり、二つの異なる年月日が刻まれていたということですが、これは通常、夫婦で入っているお墓であり、それぞれの没年月日が記されたと考えられます。表面の拓本が取れず戒名が不明な状態では、たとえ没年月日だけが分かったとしても過去帳との照合は困難です。

なぜなら江戸時代の庶民は過去帳にも苗字が記されていないため、同日に複数の方が亡くなっていると、そのうちの誰なのかを特定できないためです。しかし、戒名が不明であっても没年月日が二つあるとすれば話は別です。両日の過去帳の記録を見ていただけば、何らかの因果関係が判明します。

ご住職にご協力をいただき、両日の記録を見ていただいた結果、下記のような記録がそれぞれにありました。(個人情報保護のため年号・名前は仮)

延享2年3月1日  庄右衛門 父
宝暦3年5月2日  庄右衛門 母

これにより、当時のこの家の当主名は「庄右衛門」であることが判明しました。非常に良い結果になったのですが、詳細は割愛しますが新たに非常に多くの疑問も出てきまして、まだまだ色々と調査をしていかなければなりません。いずれにしましても、やはり古いお墓には貴重な情報が眠っているという事だけは間違いありません。