鹿児島藩士(薩摩藩)の特別な事情

家系図 ルーツ

第67

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1.家系図ニュース~戦国大名ゆかりのお寺へ
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

ある『400年たどるコース』の案件で、有名な戦国大名にゆかりの深いお寺にご協力いただける事になりまして、今月中にいちどうかがう事になりました。

400年コースの場合、常に江戸時代前半のところで苦しみます。こちらの案件でも戦国末期から江戸時代初期の部分にどうしても不明確なところがあって困っているところでした。江戸時代中期以降は現菩提寺の記録や村の宗門人別帳などがありましたので大体、家系はたどれています。

ところが、江戸時代前期となると菩提寺の過去帳も存在しません。どうやら、前期は現菩提寺ではなくその戦国大名ゆかりのお寺に檀家としていたのではないか~と、思われる部分がありまして、ご協力をお願いしていた次第です。

という訳で、行く前に少しでも予備知識を蓄えようと、現在その戦国大名について勉強しているところです。


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2.鹿児島藩士(薩摩藩)の特別な事情
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さて、当方では日本各地の家系調査、ご先祖様探しをやっています。武士の家もあれば、農民、商人だった家もあります。武士の場合は当然、各藩の分限帳(藩士の給与明細一覧のようなもの)にあたります。

ですので、主要な各藩の分限帳はだいたい見ているのですが、そういえば幕末維新の主役である鹿児島藩(薩摩藩)の調査はなぜか一度もやった事がありません。不思議なもので、調査場所というのは結構偏ったりするものです。

鹿児島県の案件は一度もないのに、我が丸山家のルーツでもある新潟県の調査は年に何度もあります。

さて先日、戸籍コースで鹿児島藩士だった家の案件があり現地調査は行わないものの『歴史探訪報告書』を執筆する段階になって、そういえば鹿児島藩士の調査はやった事がなかったんだと思い当たった次第です。

そこで改めて調べてみたのですが、鹿児島藩は他藩とは大きく違う事情があります。それは、「郷士」の数が非常に多いという事です。郷士というのは農村地帯で暮らしているのですが武士身分を与えられている家です。

NHK大河ドラマ『龍馬伝』の龍馬、弥太郎がまさに郷士ですので最近ではイメージしやすくなったのではないでしょうか。

その郷士を合わせると鹿児島藩士というのは一万人を裕に超える数になります。
 他藩のように全藩士が一覧で見られるような分限帳がありません。ですので、鹿児島藩士(郷士)の家のご先祖探しの場合は、農民だった家が通常行う調査方法をとる必要があります。すなわち、居住していた村の検地帳や宗門人別帳などを探して、そこにご先祖様の名前を見つけていく手法です。

実際、鹿児島藩郷士の場合、日々は他の農民と同じように農業を行って生活していることが多いです(それでいて、戊辰戦争など有事の場合には前線に狩り出されるのですから大変です。明治に入ってからも西南戦争に従軍していますし、いくら武士身分が誇りだったとはいえ実情は甘くありません)。

鹿児島藩士であるという言い伝えが残っている家で、古い戸籍を取得した結果、明らかに農村地帯と思われる場所に本籍地がある場合は「郷士」である可能性が非常に
高いといえます。

江戸時代のご先祖様探しでも、ある程度は「こういう調査方法を取るべし」という
ノウハウはあるのですが、それでも地域によってはこのように大きく手法も変わって
くるという事になります。