宗門人別帳によって菩提寺を特定する

家系図 ルーツ

第69

=================================
1.家系図ニュース~今月は「福岡」「東北」「名古屋」「神戸」へ出張!
=================================
 こんにちは、行政書士の丸山学です。

5月は泊まり込みの現地調査が少なく、今ひとつ物足りなかったのですが、6月は結構よい感じのボリュームです。久しぶりに九州(福岡)があるのがいいですね! 日中は調査を頑張り、夜はどこかに遊びに行きたいところです(←と、言いましても実は遊び下手で、どこに行ったらいいのか分かりませんが…)。

また、一転して東北の旧鉱山町の案件もあり、名古屋に3泊4日という『400年たどるコース』の案件もあります。そして、調査ではないのですが神戸への出張もあります。今月は何だか賑やかになりそうです!


--------------------------------------------------
◆家系図作成サービス
調査範囲を戸籍取得だけに限るリーズナブルなコース
⇒ https://www.5senzo.net/60.html
 戸籍4系統+歴史探訪報告書コース
 戸籍2系統+歴史探訪報告書コース
 戸籍1系統+歴史探訪報告書コース

戸籍を超えて徹底的に文献調査・現地調査も行うコース
⇒ https://www.5senzo.net/62.html
 200年たどるコース
 400年たどるコース
 1000年たどるコース
--------------------------------------------------
◆twitter『ご先祖探し実況生中継ツイッター』
⇒ https://twitter.com/marujimu

◆書籍『家系図を作って先祖を1000年たどる技術』(丸山学 著)
※無料で「はじめに」部分を公開中
⇒ https://www.5senzo.net/book-kakeizu.html
--------------------------------------------------


=================================
2.宗門人別帳によって菩提寺を特定する
=================================

さて、ツイッターでも実況中継させていただきましたが小田原旧某村の自治会所有の古文書を閲覧してまいりました。自治会所有の古文書の場合、行政機関などでの保管と違い長く段ボール箱に入れっぱなしという事も多く、傷みが酷い場合も多いのが難点です。

今回も傷みはかなり激しかったですが、それでも現存しているだけで有難いことで、そういう意味では代々受け継いで保管してきてくれた自治会の皆さまに感謝です。自治会長の持ち回りでやっていると、いつの間にか廃棄されてしまったという事も珍しくはないのです。

さて、中身を拝見していくと江戸時代の「宗門人別帳」も「検地帳」もありました。ですから、戸籍で判明した幕末のご先祖様名をそれらの文書内に探していき照合するのが基本作業となります。

まず、幕末の宗門人別帳に戸籍で出てきたご先祖様名が見つかりました。それにより、江戸時代中からその村に居住していた事が明確になりましたので、まずはホッとする瞬間です。これで、江戸時代の中後期の人別帳、検地帳を閲覧すれば戸籍以上にご先祖様名も出てくる…筈だったのですが、その時代のものは虫食いが酷く、各ページとも面積の50%以上が穴だったりします。
 
久しぶりに手ごわい古文書です。それでも執念で何とか文字を読んでいたのですが、しばらくページをめくっていると、今度はページがくっついていてめくる事が出来ない!それも2~3ページがくっついているというのではなく、30ページ分くらいがどっさりとくっついています!

とても剥がせる状態にはなく、江戸中後期の古文書は完全にお手上げでした。…という訳で、残念ながらご先祖様名に関しましては戸籍で判明している範囲を超える事が出来ませんでした。

しかし、非常に貴重な情報を入手する事が出来ました。それは、その家の当時の「菩提寺」と「氏神」です。この案件では、江戸時代から明治時代にかけて住んでいた場所での菩提寺も氏神も当初は全く不明だったのです。

しかし、戸籍の範囲内とはいえ宗門人別帳にご先祖の記録がありましたので、当然に菩提寺がどこかが記載されていました(人別帳というのは、菩提寺が「この人は当寺の檀家ですよ」と印鑑をついて証明するための文書ですので)。

また、宗門人別帳とは別に明治時代にこの家のご先祖様が近隣の神社に寄附をしている記録が残っていました。これで、氏神も特定です。こうなると、ここから菩提寺、神社に問合せをしていく事が可能です。宗門人別帳では(今回は不運にも)戸籍以上のご先祖様名は出てきませんでしたが、菩提寺の過去帳によって今後、それらが明らかになる可能性も充分に生まれました。

そのような観点で臨むと、たとえ戸籍で分かる範囲内の人物しか記載されていない宗門人別帳であっても充分に有益という事が出来るのです。さて、この案件、ここからさらに粘り強く頑張っていきたいと思います。