第７９号
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１．家系図ニュース～明治時代に匙を投げられた案件について
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こんにちは、行政書士の丸山学です。
前号で、明治時代にご先祖探しをしながら結局、江戸時代まで遡れずに匙が投げられた記録が残っているという珍しい案件に取り組んでいる～という事を書きました。
九州の案件で、先日、現地調査を終えました。まだ精査しないといけない部分が残っているのですが、無事に江戸期のその家の菩提寺が判明し（明治初期に理由があって菩提寺を変えていました）、かつ、その家の江戸期の職種まで分かりました。
明治の時代に調べて分からなかったものが、平成の今になって判明させられるものだろうかと不安いっぱいの案件でしたが、無事に終えることが出来てホッとしました。
他にも難しい案件をいくつも抱えていますが、何とか粘り強く進めていきます。
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２．明治初期に姓（苗字）が変えられているケースが結構ある
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ここのところ何故か、明治初期に姓（苗字）が変えられている家の調査が続きました。まあ、明治３年に武士以外の庶民も姓（苗字）を名乗れるようになり、明治８年には強制的に苗字を名乗るようにされたという背景もあり、この時代は姓について様々な変化があってもおかしくはないところです。
当メルマガではよく書いていますが、江戸時代中の庶民（農民、商人等）も姓は持っていましたし、そのような史料も最近では多く出てきています。特に公文書では姓は名乗れませんでしたが、神社等の宗教関連の文書内には江戸期の農民たちの姓が堂々と記載されているものもあります。
つまり、武士でも農民でも江戸期から姓を持ち、明治を迎えてもほとんどの家がそのままその姓（苗字）を名乗り続けたという事です。しかし、たまに姓を変えているケースがあるのです。最近のある『２００年たどるコース』では、江戸期は「○岡」という姓であったのが、明治以降は「○江」と変えられていました（○の一文字は変化なし）。
ご依頼人様も初めから「江戸時代は○岡という苗字だったのが途中で変わったようです」と、おっしゃっていまして、私の方では最初は本当にそうなのかなあと疑問もあったのですが、ようやく探し当てた菩提寺で明治期の過去帳を見せていただいたところ、あるご先祖様の記録で、初めは「○岡」と書かれていたのに、その後に「岡」の字の上に修正線が引かれ横に「江」と書きなおされているものがありました。
これにより、ご依頼人様が初めにおっしゃっていた言い伝えが正しかった事が分かりました。 この案件のように、姓の二文字のうち上の一文字はそのままで下の一文字だけ分家に際して変える～という事があったのではないかと推測されます。
明治時代なんていいますと、現在でもまだ明治生まれの方もいらっしゃる訳で、それほど遠い昔とは思えないのですが、それでも明治期の姓（苗字）の取り扱いについては意外と史料が残っておらず謎も多いのです。
こうした分家に際して一文字だけを変えるのは、まあ理解できなくもないのですが、別の『２００年たどるコース』の家は全くもって違う姓に明治初期に変更されています。
それも二文字であったものが、全く異なる字で三文字の苗字になっています。その理由や、新しい三文字の苗字の由縁をずっと考えたり調べているのですが、まったくもってよく分からずに困っています…
