江戸時代の古文書にも苗字が書かれている!?

家系図 ルーツ

第93

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1.家系図ニュース~新刊『先祖を千年、遡る』(幻冬舎新書)予約開始
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こんにちは、行政書士の丸山学です。

私の新刊『先祖を千年、遡る』が3月30日、幻冬舎新書から発売になります。インターネット書店のAmazonでも予約受付が始まりました。目次のとおり、先祖探しの楽しみ方から実践的なノウハウまで、楽しみながら読めるように頑張って執筆してみました。よろしければ、ご予約をお願いいたします。

◆書籍『先祖を千年、遡る』(幻冬舎新書)目次
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第1章自分のルーツは意外と分かる
・千年遡ると日本人のルーツは天皇家・藤原氏が大半を占める
・藤原氏の末裔でいちばん多い名字は「佐藤」
・天皇家から出た名字、藤原氏から出た名字
・名字のルーツは土地にある
・自家が現在まで存続しているのはすでに名家の証
・江戸時代の身分だけでは名家か否か判断できない
・「名字+家紋」で推測できる出自
・憚りの文化が家紋を変更させる
・家紋は絶対視できないが大きなヒントが隠れている
・日本の戸籍は完璧なリンクシステムでできている
・戸籍の本来の目的は「徴税」と「徴兵」だった
・お墓は雄弁に語る

第2章名字・家紋から見える自家の歴史
・ご先祖探しは「謎解き」の面白さ
・五百年以上遡ると今とは違う名字になるのが一般的
・朝廷の姓、武士の名字
・古代から変わらぬ姓を名字として使っている場合もある
・渡辺姓だから川の「渡し」をやっていたとは限らない
・名族「清和源氏」から出た名字を見る
・名字を生んだ土地一覧
・家紋は自家の歴史を推理する道具になる
・武家の家紋は「シンプル」、公家の家紋は「優雅」

第3章戸籍をたどれば江戸時代のご先祖名が出てくる
・「下から」先祖を遡る
・現在でも明治19年式の戸籍まで取れる可能性がある
・戸籍にある事実の羅列から先祖の生活が見える
・戸籍用語を知っておこう
・本籍地を地名辞典で確認する
・本籍地は移動していないケースが多い
・「地租改正」で土地はそのまま所有を許された
・武士もそのまま土地を与えられた可能性が高い
・郷土史で自家の名字に注目する
・次に郷土史の「戸長」「区長」に注目する
・郷土史で知る大事件、小事件
・地域別、幕末・維新の大事件一覧

第4章菩提寺と墓石で江戸・明治期の自家の歴史を紐解く
・不名誉な事柄も寛容に受け止めよう
・まずは同姓宅に手紙を出すところから始めよう
・菩提寺の過去帳からご先祖様名が分かる
・人物を特定するには屋号が大事
・過去帳はいつのものから存在するのか?
・過去帳以外に有益な記録があることも
・墓石から埋もれた情報を引きだす
・気になるお墓があればお墓の前に手紙を置こう
・戒名からご先祖様の暮らしぶりを感じる

第5章千年のルーツ知るためのテクニック
・目標設定は「200年」「400年」「千年」
・400年以上前になると史料の残りが悪くなる
・明治時代と江戸時代をつなぐフックを見つける
・村の古文書を探す
・人別帳・検地帳の読み方
・分限帳から武士の悲哀を読み解く
・あなたの先祖が下級武士だったなら
・分限帳はどこにある?
・戦国時代の武士の記録も意外とあるもの
・最後の成果は執念で差がつく


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2.江戸時代の古文書にも苗字が書かれている!?
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江戸期の古文書(宗門人別帳や検地帳、過去帳など)では、武士以外は苗字が書かれていないために先祖探しは苦労する訳です。上記の拙著『先祖を千年、遡る』には、そうした場合どのように自家の先祖を特定すればよいのか~そのノウハウなども記載していますが、実際には古文書を見てみると江戸期の庶民でも苗字が書かれている事が結構あります。

先日、岡山県の某城下町の宗門人別帳を閲覧してきました。明治3年の人別帳があり、基本的には明治3年の人別帳には苗字は記載されていません(この年から一応、庶民も苗字を名乗ってよい事にはなりましたが実際にはほとんど名乗りませんし、ましてや人別帳のような公文書には記載されません)。

しかし、実際にその城下町の宗門人別帳を開いてみますと全世帯分に苗字が書かれていました。それも、わざわざ朱字で目立つように記載されています。

実は人別帳だけでなく過去帳なども、そのように苗字が書かれているケースが多々あります。これはどういう事かというと単純な話で、後世になり「どれがどこの家の分なのか分かりやすいように」という配慮で書き足したものなのです。

人別帳であればそれを作成していた庄屋さんが、過去帳であれば住職が、堂々と苗字を名乗れる時代になってから書き足したのです。そうでなければ何かと不便ですから実に自然な行為です。

そんな訳で、江戸時代の古文書を見るときに「苗字がないけど、どうしよう」と、力みながら開くと「あれ、書いてあるじゃん!」と、拍子抜けすることも多いのです。という訳で、古文書は恐れずに、まず開いてみましょうという話です。